「ブルースピネル」のオーダーメイドリングのご紹介です。

品目:リング
作品名:佳宵 – カショウ –
地金:SV925
貴石:ブルースピネル ラウンドファセットカット 径 5mm 高さ 3.1mm

先日「シンプルオーダーメイド」のご注文で制作させて頂きました、お客様持ち込みの「ブルースピネル ラウンドファセットカット」を使ったリングのご紹介です。

今回のご注文はありがたいことにリピートでのご注文で、前回納品いたしましたリングと合わせてご使用すると言うことで、リングデザインは前回のリングの世界観と繋がる内容で進めさせて頂きました。



お客様からのご要望は、「ブルースピネル」を使って、「前回のリング「豊 -トヨ-」の森の中で生きる夜の妖精のイメージで。(明確に妖精の要素が入っていなくてもokです)」

また、「シンプルオーダーメイドの範囲内で「くびれたダイヤ♢」のモチーフを入れられたら嬉しいです。」

とのご注文で承りました。


お送り頂きました「裸石/ルース」の検品。

Hamamelisでは、お互いの「裸石・ルース」の状態の共通認識のため画像をお送りしています。

今回の「ブルースピネル」は、直径5mmの「ラウンドファセットカット」で非常に濃い色味でした。

ルーペでの検品で、ガードル付近に小さな剥離痕が確認できました。このような場合周辺の状態も注意深く観察する必要があります。

剥離痕の近くをペンライトで明るくして様々な角度から見てみるとフェザー状のクラックが確認出来ました。 この様に現れる「フェザー」と言われる鳥の羽のような
クラックは「レインボー」と呼ばれる七色の輝きを放つ美しい表情として宝石の価値を上げる要素になったりしています。

今回の場合は、石のフチに近くでしたので「石留め時の爪がこの位置に入るとパックリ割れる可能性が出てきます。」

ですのでお客様へ内容をお知らせし、クラックの位置から爪をずらす石の向きで石留めする旨をお伝えし、了解を頂いてから作業を進めさせていただきました。
※万が一の石の破損のリスクは事前にお伝えし了解を頂いています。


ルースの状態は、有る種の専門的な視点での観察により分かることだったりしますので、どうかお客様には気兼ねなくお伝えしました内容をご確認いただければと思っています。


リングデザインに付いて

今回のリングデザインは、先に述べました「 豊 -トヨ- 」の森に住む夜の妖精ということでしたので、シンプルなタイプからデザインを盛り込んだ複雑な構成タイプをいくつか提出いたしましてご検討頂きました後、一番シンプルなタイプをお客様にお選び頂きました。

今回決定しましたデザイン画

こちらのリングデザインは、今回の「ブルースピネル」は夜を思わせるような濃い青の色味でしたので、妖精の核として、またご指定いただいた♢の形はご注文頂いた中で唯一形のご指定でしたので、そのまま妖精の形としてデザインに反映させて頂きました。


製作中の様子

純銀と銅を溶かして混ぜ合わせて、「925銀(スターリングシルバー)」のインゴットから制作しました。
※925銀は、92.5%が純銀で残りの7.5%が銅の銀合金です。
銀合金にすることで、加工の面や完成後の強度を意図的に調整することが出来るようになります。

リング本体の大まかな形を金槌で成形していきます。

二股の部分が石座付近の腰の部分になります。

石座の制作風景です。爪になる丸線をロウ付けしています。

それぞれのパーツの最初の段階

デザインに合わせてヤスリで削って成形。

それぞれのパーツを溶接して組み上げていきます。指の当たる「指なじみの部分」も組み込んでいきます。

石座を溶接して全てのパーツが組み上がったところ。この後全体をキレイに研磨してから石を留めて完成となります。


完成はこんな感じになりました。

正面
正面斜めから接写
底面
側面

お客様への納品後、ありがたいことに今回もお気に召して頂けたご様子で何よりでした。
またお客様のSNSにて、前回納品しましたリング「豊 -トヨ- 」と合わせてお使い頂いている様子の画像を載せていただきました。大変うれしく思いました。ありがとうございます。

昨今のSNSのお陰様で、納品後の作品の様子を拝見できる機会が増えているのでとても励みになっています(´・ω・`)

以上、「ブルースピネル」のオーダーメイドリングのご紹介でした(´・ω・`)