「ラリマー」を使ったオーダーメイドのご紹介です。

品目:お守り
作品名:潮汐ノ胚 Tidal Embryo
地金:SV925
貴石/天然石:ラリマー 30x12x5mm
青色のブルーペクトライト(ソーダ珪灰石) カボションカット

先日シンプルオーダーメイドのご注文で制作させて頂きました天然石の「ラリマー」使ったお守りアイテムのご紹介です。

男性のお客様からのご注文で、上田市の鉱物屋さんの「メルクリリ」様で購入された大ぶりの「ラリマー」30x12x5mmを使ったアイテムのご相談からスタートしました。

当初キーホルダーの制作のご希望でしたが、ラリマーは「劈開(へきかい)」と言って結晶自体に割れやすい方向がある性質があるのでそのリスクをお伝えし話を進めましたところ、

「普段は袋に入れて持ち歩き、自宅で手にとって眺めたりもしたい」

というお話を受けまして、

「それでは石自体を装飾するお守り的なものはいかがでしょうか」

ということでデザイン展開させていただきました。

デザインの取り掛かりはカトリック教会で見られる「聖遺物」の装飾の考え方でした。
主体と成る物を保護しつつ、意味を持たせるために装飾を施す考え方でデザインを展開することにしました。

合わせて、お客様から2点ほどご希望のスケッチをお見せいただきましたのでそちらも参考にさせていただきました。他にも「つぶつぶの集合体が好み」ですとか、「風が好き」等のキーワードを頂きデザイン展開に盛り込ませていただいました。

今回ご用意しましたデザインスケッチはこちらになります。

デザイン画はいただきました要望とご予算から、シンプルなタイプとパーツ構成の多い複雑なタイプのバリエーションの基本ご用意させていただきています。

今回は「ラリマー」の海の水面の表情と、「つぶつぶの集合体が好き」という所から植物の「葉緑素」や「真核細胞」の構成を参考に表面のデザインをいくつかデザインにまとめてみました。

また複雑な構成のタイプは、裏面に「プロペラ」や「風稜石(ふうりょうせき)砂漠で岩石が風と砂によって削られてできた石」の形を参考にしたパーツを加えています。 

今回はAタイプをお選び頂きました。

正面
正面・手のひらに乗せた様子
裏面
側面

今回は合わせて、以前ご購入頂きましたHamamelisのシルバーアクセサリー「Landscape boder line」をキーホルダーに着けられるように金具を付けるカスタムのご注文を頂きました。

大きめのシスターフックを「リバース」加工した輪っかと組み合わせました。

たまにお直しや修理で以前ご購入いただいたアイテムを拝見することがあります、そんなときいつも思うのは、お使いいただいて休みに帰ってきた様子のアイテムたちをメンテナンスすることで「強度の過不足」、「時間経過による変化の様子」、「時効硬化による効果の様子」、「使用環境想定の合否」等見ることが出来、また自分の技術面を鑑みるとても良い機会ともなります。なにより自分の制作物が日常使われている痕跡を拝見出来ることはとても嬉しいことありがたい限りです。
いつもご使用頂き、また新たなアクセサリーをお迎え頂きありがとうございました。

以上「「ラリマー」を使ったオーダーメイドのご紹介でした。