彼岸と写真と散歩と生き物の町と

汗ばむ陽気も落ち着いて、風がひんやりと心地よくなってきたので気軽に外へ出かけられるようになってきた。

下ろしてしばらくたった新しいスニーカーも、ようやく本調子といった感じで、とにかく足が軽かった。

薄曇りの中、極力高低差のある道を選んで歩く、上田の町は意外と坂道が多く路地裏に入ると古い建物がひっそりと息を潜めるように現れたりする。

人気のない古い家屋の中庭には誰が取るでもない果実が灯りのように実っていたり。

商店街の裏側は、廃墟と風俗店と民家がごちゃ混ぜになっていたりする。お彼岸のためかお線香の匂いと天ぷらの匂いが何処からともなく流れてくるものだから、夢の中にいるような感覚になってきたり。

夕方に映えるカラーコーンに大正義の室外機、数え役満のような風景にライブハウスから聞こえる練習中のようなドラムの音が、「ドガスカドガスカテケドンドン」今思うとまるでこの街の心音のようだった。しぶとくて無骨で不器用で、とても力強いと思えてきたり。

残暑厳しいと思っていたら、日の入りは早くなり、虫の声も賑やかにコスモスは色鮮やかに咲いてすっかり秋の散歩道。

今年の春に見つけた桜と椿の舞台のようなハレの場所、先日通ったらすっかり更地になっいて、どんどん形を変える町がまるで大きな生き物に思えたり。

見ているものの向こう側に不思議な親和性を感じるような時がある というか常に在ったりする それに触れられるような 片鱗を感じられるような そんなものが作りたいと思っていたりする

ともあれ今日も全ては美しく もうすぐ節目の秋分 なかなか戻らない肥えたお腹周りを気にしながら新作頑張って作ります(´・ω・`)